2015年5月発表の還暦アニヴァーサリー・アルバム『ROCK十』で、Charは、それまでに関わってきたアーティスト12人に、新曲の書き下ろしを依頼している。その際、相談やリクエストはなし。プロデュース全般も彼らに委ねたのだが、そこで彼が強くこだわったのは、「オレのロックになにをプラスしてくれるか?」だったという。
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そのレコーディングを通じて実際にいくつもの「プラス」を手にしたはずのCharが、還暦前夜の6月15日、武道館のステージに立つ。新たな出発点としての意味も持つコンサートに、内容に関してはまったく告知されていなかったにもかかわらず、幅広い年齢層の、たくさんのファンが、それぞれに期待を抱きつつ足を運んだのだった。
『ROCK十』の1曲目でもある「カタルシスの凱旋」でコンサートがスタートするとすぐ、作者の泉谷しげるが登場。個性的なパフォーマンスで会場を盛り上げたあと、ステージはアルバム収録順で進んでいく。バンドの一員としても貢献した佐橋佳幸、布袋寅泰、ムッシュかまやつ、奥田民生、松任谷由実、佐藤タイジ、JESSE、福山雅治、山崎まさよしがつぎつぎとステージに上がり、それぞれがCharのために書き下ろした楽曲に、さらに新しい要素と味わいを加えていったのだ。闘病中だった石田長生と、宮藤官九郎提供の「チャーのローディー」に映像パートのみVTR出演した阿部サダヲを別にすると、じつに10人ものアーティストが武道館に駆けつけたことになる。
13曲目は、この時点では未発表のオリジナルで、「これから」に向けた意欲と意思を示す「Moving Again」。12人から提供された楽曲への、アンサー・ソングとも呼べる曲だ。このあと「Smoky」など4曲がアンコールで演奏され、コンサートは幕を閉じた。
チャリティや追悼などのイベントを別にすると、これだけの顔ぶれのアーティストが一同に会するコンサートは、日本では、過去に例のなかったものといえるだろう。豊かな音楽的内容も含めて、それはまた、ロックの新たな可能性を示すものでもあった。
その画期的なコンサートの作品化が、ついに完成! 一つの物語としての意味も持つ13曲目までをまとめた、コンパクト盤、アンコール曲もすべて収めた完全収録盤、LIVE CD盤など複数のフォーマットで、11月27日同時リリースの予定だ。
アルバム「ROCK 十」参加の十二支のうち、10名が参加。加えて東京スカパラダイスオーケストラのホーン隊、OKAMOTO’S ベースのハマ・オカモトも応援に駆けつけた。ハウスバンドには佐橋佳幸に加え、福原美穂もコーラスで全曲参加。サプライズゲスト13組の豪華セッションによって生み出された名演の数々、一夜限りのコンサートが夢の映像完全収録にて作品化。
BD&DVD Total:3時間12分
(本編:1時間56分/アンコール:36分/特典:40分)
2CD Total:2時間9分
(DISC1:1時間3分 / DISC2:1時間6分)
1. All Around Me
2. Shinin’ You Shinin’Day (w/ All Guest)
3. Smoky
4. Livin’ In Tokyo
第1部と第2部の幕間に巨大LEDにて映した、
十二支アーティストのインタビュー映像
開場後、LIVE開始前に場内で流れたオープニングムービー。
Charの生誕から現在に至るヒストリーを、貴重な写真群と当時の楽曲で追っている。
商品形態 | 商品番号 | 税抜価格 |
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BD盤(Blu-ray+2CD) | ZRRP-FV03 | ¥6,500 |
DVD盤(2DVD+2CD) | ZRRP-FV02 | ¥6,000 |
ROCK十 オリジナルアルバム12曲+1曲、本編13曲LIVE盤。
商品形態 | 商品番号 | 税抜価格 |
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DVD盤(DVD+CD) | ZRRP-EV02 | ¥4,000 |
※コンパクト盤のCDと同一内容です。※特典映像、アンコール音源、MC・セッション部分の音源は収録されません。
商品形態 | 商品番号 | 税抜価格 |
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LIVE CD盤 | ZRRP-EV01 | ¥2,500 |
● 楽曲名/楽曲提供・プロデュース
カタルシスの凱旋 / 泉谷しげる
Still Standing / 佐橋佳幸
Stormy Heart / 布袋寅泰
Gでいくぜ / ムッシュかまやつ
ニッポンChar,Char,Char / 石田長生
トキオドライブ / 奥田民生
Night Flight / 松任谷由実
悪魔との契約満了 / 佐藤タイジ
I’m Just Like You / JESSE
7月7日 / 福山雅治
チャーのローディー / 宮藤官九郎
坂道ホームタウン / 山崎まさよし
12 Songs / Total: 54:34
Char、竹中尚人が、今年6月16日、60回目の誕生日を迎える。はじめてギターを手にしてから約半世紀、正式デビューから約40年。この間、数多くの伝説を残してきた、文字どおり日本を代表するアーティストが、還暦という人生の大きな節目を前に、約10年ぶりとなる待望の新作を完成させた。
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タイトルは『ROCK十』。つまり、『ロック・プラス』。アニヴァーサリー・アルバムにふさわしい、ポジティヴな意思が伝わってくるタイトルだが、ちょっと肩の力を抜いてみると、『六十』と読めたりもする。
日本のロックの中心人物の一人として歩みつづけ、間もなく満60年となるその人生は、干支一回り12年の繰り返しとみることもできるだろう。英語圏ではDecade(10年)という区切りが一般的だが、Dozen(12個)という概念もあり、12はまた、音階やギターのフレットともつながる、重要な数字だ。
アルバム『ROCK十』は、その干支や12という数字をキーワードにつくり上げられた。具体的には、Charがこれまでに関わってきたアーティストのなかから、それぞれの干支に一人という条件で12人を選び、曲づくりを依頼する。その際、相談やリクエストはなし。そして、詞・曲はもちろん、アレンジ、録音スタイル、スタジオ選びなど、プロデュース全般も、彼らに委ねた。
極端ないい方をすると、「手のひらの上で」ということであり、当然のことながら、「数えきれないほどの音楽仲間のなかから誰を選び、依頼するか」が重要な鍵となってくる。難しい作業であったに違いないが、その人選の最大のポイントとして強くこだわったのは、「いったいオレのロックになにをプラスしてもらえるか?」ということだった。
三十代半ばのJESSEから七十代半ばのムッシュかまやつまで、ジャンルや世代を超えたその多彩で、意外性もある顔ぶれを目にして、驚かれた方も多いだろう。その12人のアーティストは、一部の例外を除いて、レコーディングにも参加。プロデュースも彼らに委ねた結果、12曲すべて、ミュージシャンやエンジニアの顔ぶれが異なるという、おそらく過去に例のない、豪華で画期的な内容となった。
それぞれに色彩の異なる12の楽曲は、それぞれに異なる形で、Charのロックになにかをプラスしている。そして、それをきっちりと受け止め、さらにプラスの方向に進めていくChar。まさに『ROCK十』というタイトルそのままの、大きな人生の節目にふさわしいアルバムに仕上がっている。