出会いから、20年。しかし、再会のとき、なにも変わっていない彼がそこにいました。唯一違っていたのは、ギターの表現がとても達者になっていたことです。「シンガー」だと思っていた彼が、「ギタリスト」になっていた。それがどういう意味を持つことなのか、ギターを弾きつづけてきた私には、自分のことのように、とてもよくわかります。この楽曲も、ギターで書いたものでしょう。弟が、知らないうちにギターがウマくなっていて、そのギターで、20年という歳月がなんでもなかったかのように、今の私に問いかけてくれた。結局、ロックとはギターなのです。そのギターの音に魅せられた同志として、今回、ともに時間を過ごすことができました。歌に関して言えば、ギター以前の問題として、「やっぱり、なにか同じモノを持っているのかな」と思いながら歌えました。そして、ミュージシャンとも、現場のスタッフとも、最高の時間を過ごさせてもらったレコーディング。自分のなかにある過去と現在を見透かされてしまったようです。
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