私とちょうど10年の年齢差がある彼は、おそらくかなり客観的に60年代〜70年代の音楽を聴き、吸収してきたのだと思います。私がそうであったように、兄貴世代のハヤリを子供目線で冷静に、かつ感覚的に取り入れ、自分のものにしてきたのではないでしょうか。彼独特の音楽、詞の世界は、どこかパロディ・タッチですが、じつはそれは、ロックが持っている一面の「アソビ」という表現。彼はそれをシンプルに具現化できる数少ないアーティストだと思います。3コード/8ビートのロックンロールこそ、すべてのロックをロールさせた原点ではあるわけですが、シンプルなほど、きちんと表現するのは難しい。今回は、知っているようで知らなかったロックンロールにチャレンジすることができました。そして、私の中に居座っていた、コダワリを取り払ってくれました。
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