一級上、二級上の男の先輩はコワくないけれど、一級上、二級上の女の先輩ほどコワいものはない。昔からそう思ってきました。私は、そういうオネーサンたちに、いつもオモチャにされてきたような気がします。「ロックは男のモノ」の時代に、彼女たちは、とにかく感性が一歩も二歩も我々より先に進んでいて、「この人たちを納得させられるオトコじゃないと、置いていかれる」と思ったものです。ユーミンがその代表格であることは、今も変わりません。今回も、彼女しか持っていない最新のアンテナで私は料理されました。絶対的に昔から変わることのない男と女のすれ違いを詞の世界にちりばめたこの曲。歌唱表現の新たな世界を伝授してくれるとともに、私のなかに隠していた弱さを、強く、優しく、引き出してくれました。
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